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技術とアイデアで切り開く新たな一歩(2)【金山化成株式会社】
前回に引き続き、“消費者向け直販商品作り”の第一歩として商品化された【進化系ペットボトルロケットNEO】と、発売に向けて開発中の【おえかきにゃんこの水耕栽培キット】について話を伺った。
【進化系ペットボトルロケットNEO】
「子供が小学校でペットボトルロケットを使った授業をしていたことを思い出したのがきっかけです。発泡の特性を生かしつつ、気軽に遊べるものを作れないかと思い製作しました。」家族との思い出の中から生み出された商品で、アクリル絵の具で色を塗ることで自分だけのオリジナルロケットを作ることができる。
「見た目はとてもシンプルな商品ですが、開発期間は3年。実際販売できる形になるまで2年の歳月を要しました。機体のバランスを保つことがとても重要でペットボトルの配置位置を定めることがとても難しかったことと、軽量化の問題もありました。どの部分を削るか検討、改良を重ね、ようやく商品化に至りました」。飛行試験は、3年前から2カ月に1回のペースでおこなわれ、金型完成後の飛行テストは何百回と繰り返し行われた。
「機体自体は自動車用バンパーにも用いられている発泡ポリプロピレンを使用しており、衝撃に強く衝撃を和らげる特性があるため落下の衝撃にも耐えることができ、何度でも飛行を楽しんでいただけます」。ペットボトルだけでは落下の衝撃で破損する可能性があるが、ペットボトルロケットNEOにはそのような心配がないため安心して楽しむことができる。
【おえかきにゃんこの水耕栽培キット】
「食育の一環として、野菜嫌いなお子さんが自分で育てることにより野菜を身近に感じ、野菜を食べられるきっかけ作りになればとの思いで考案しました。デザインに関しては、多くの方に親しみをもっていただけるよう色々な世代の方に聞き取りをおこない、最終的に猫の形にたどり着きました」。実際手に取ってみると肉球や口元など細部までこだわりが詰まっており、この愛くるしいフォルムを生み出すまでに数多くの苦労があったことがうかがえる。
商品名からも分かるがこの商品は野菜を育てる以外にも楽しみ方がある。「あえて着色はしていません。家族の思い出を形に残してほしいという思いから、皆さんで色を塗っていただこうと考えました。家族の作品として皆さんに可愛がっていただければ嬉しいです」。
背中の部分が蓋になっており、野菜を育てた後は小物入れやオブジェとして活用できるため、一家に一匹は迎え入れたくなる商品だ。
「発泡スチロールは加工もしやすく非常に扱いやすい反面、発泡スチロール自体を製品化することは非常に少ないのが現状です。成型に必要な蒸気孔の跡が製品表面の凹凸として残ったり、無機質な素材なためオリジナルのものを一から考案するまでに非常に苦労しましたが、何れの商品も使っていただく方の思い出に残っていただける商品だと思いますので是非気軽に手に取っていただきたいです」。今まで培ってきた技術と渾身のアイデアで生み出された商品は、たくさんの人の思い出の1ページを彩ることだろう。