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ココロを豊かに 生活にイロドリを【ハンドメイドacco】
日本ではまだあまり知られていない“クイリング”。クイリングとは、16世紀にヨーロッパ諸国で修道女により始まったペーパークラフトの1つで、美しさと手軽さから近年では世界中で愛好家が増え続けている。今回は、市内で唯一のクイリング教室を開催している「ハンドメイドacco」の代表・稲垣亜記子さんにお話を伺った。
2022年、自宅の建設をきっかけに自宅の一室でクイリング教室を開講した稲垣さん。教室を始める前は、長年にわたりハンドメイド作家として活動していたという。「幼い頃から何かを作ることが大好きで、ハンドメイドを始めてから約13年になります。カバンやガマ口小物を製作していたのですが、たくさんの方とのご縁から活動拠点も増えていき、カフェでの委託販売やマルシェへの出店、ハンドメイド講座などをおこなってきました」。
幼い頃から手芸を始め、ハンドメイド作家となった稲垣さんがクイリングと出会ったのはご自身の結婚式がきかっけだった。「披露宴に来てくださる方のために何か心のこもった物を準備したくて。それで、ウェディングボードや席札を手作りしようと書店で色々な本を見ていた時に、たまたまクイリングの本を見つけて。「何これ!」と繊細さに衝撃を受けたのが最初の印象でした。当時は教室もなかったので、本を購入して見様見真似で作ってみたものの本当に難しくて、、、出来上がった時はとても嬉しかったですね」。最初の作品が無事に完成し、その後約10年間クイリングから離れた生活を送っていた稲垣さんだが、家族で訪れた先で偶然見つけたクイリング教室でクイリングを基礎から学び、よりクイリングの魅力を知っていくこととなる。
現在、稲垣さんの教室には40~70代と幅広い年齢層の方が通われている。細く切った専用の紙を専用の棒にクルクル巻いたり曲げたりして花や植物などを作り上げていくクイリングは、作業自体がとてもシンプルで分かりやすく老若男女問わず楽しめるのも魅力の1つだ。「本当に作業は簡単です!パーツを1つ1つ作って、そのパーツを組み合わせて、、、集中力は必要ですが作品が出来上がった時のあの達成感をより多くの方に味わっていただきたいですね」。
稲垣さんの教室では、11月に展示会の開催を予定しており約100点の作品が会場を華やかに彩る。展示会では普段見る機会が少ないクイリング作品を至近距離で堪能することができるという。「展示会では作品の細かなところにまで注目して見ていただきたいです。紙の温かみ、繊細な模様、小さなパーツや細部にまで私や生徒さんのこだわりが詰まっているので、よりクイリングの魅力を楽しんでいただけると思います」。実際に作品を間近で拝見させていただいたが、細やかな作品はどれも見ていて圧巻の一言。精密に世界観が表現されている作品を眺めていると、つい時間が経つのを忘れてしまう。
あまり一般的には知られていないクイリングではあるが、生活を鮮やかに彩るだけでなく心も豊かにすると稲垣さんは語る。「“ちょっと疲れてるな、、、”という時にクイリングを通してリフレッシュしていただきたいです。カラフルな紙を用いて作品を作ることで気持ちも自然と明るくなりますし、集中しておこなう作業には心を落ち着かせる効果もあると思います。実際生徒さんたちを見ていても本当に楽しそうに製作に取り組まれていて、私自身もレッスンをしていてとても楽しいんです」。
作る側、見る側双方の心を豊かにし、生活に彩りを与えてくれるクイリング。そんなクイリングの魅力はこれからも稲垣さんの教室から発信され続けていくことだろう。