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体験型宿で楽しむ特別なひととき【Rise‘s House】
2024年7月12日、西尾祇園祭りの初日に、宿泊と地域体験を組み合わせた新しい形の一棟貸しの宿“Rise’s House(リセズハウス)”がオープンしました。今回は、オーナーの小村来世(りせ)さんに開業に対する想い等を伺いました。
小村さんは、西尾市で生まれ育ち、大学進学を機に上京。大学在学中に給付型奨学金により欧米の大学へ留学を経験。その時に感じた、海外の方から見た日本の魅力や、宿泊先での人々との交流の楽しさを自ら形にしたいという想いから“ローカルな日本が味わえる宿”というアイデアに辿り着き、開業を決意しました。小村さんは「開業に向けて宿泊業のスキルを身につけるため、星野リゾートに入社しました。その時の経験を活かしながら“スピード感と柔軟性を大切に、他の人がやらないことに挑戦したい”という想いからRise’s Houseをオープンしました。当初は日本中いろいろな地域を候補に入れていたのですが、西尾市が食も文化も日本らしい魅力に溢れる地域であると客観的に判断しこの地で開業することを決めました。」とにこやかに語ります。
Rise’s Houseは空き家であった一軒家を改装し、地元の方々の協力によって完成しました。外観は日本の古民家の雰囲気をそのままに、内観はお抹茶の街らしく茶室を新たに作り五感で日本が味わえる作りとなっています。宿泊される方の4割は日本人、6割は外国から来られる方で、日本人の方にとっては実家のようにくつろげる空間、訪日された方にとっては日本の生活が体験できる空間となっており、一軒家をそのまま一棟貸ししているため周囲を気にせずに過ごせるところも強みです。「予約された段階でお客さんとのやりとりを開始し、希望に合わせた旅の楽しみ方を提案しています。そして、希望に合わせた体験アクティビティの手配や通訳、飲食店への案内などもおこなっています。市内のさまざまな事業者と連携し、14種類のユニークなアクティビティを提供していて、その中でも特に日本酒蔵見学や豆畳作りが人気ですね。また、西尾茶協同組合さんからお借りしている茶臼で抹茶を碾く体験や、宿の近くにある味噌蔵見学も好評です」。“滞在+体験”という楽しみ方を提案することで、日本文化を知っていただくきっかけとなるほか、西尾の魅力を存分に味わっていただけることが大きな特徴となっています。
Rise’s Houseでは食事の提供はおこなっていないため、宿泊された方には地元のローカルな飲食店を案内しています。小村さん自身の『自分の好きなお店を応援したい、お店がより長く続いてほしい』という想いを込めてオススメの飲食店を紹介し、お客さんと一緒に食事をすることもあるそうです。また、宿の道向かいにある三河屋さん(炭屋)には毎回お客さんと挨拶に赴き、三河屋のおばあちゃんやご近所の方との交流を楽しんていただいています。おばあちゃんからはお花をいただくこともあるそうで、その花々が宿の玄関や茶室を彩っています。
開業して約半年、20か国以上からのお客さんが宿を利用する中で、少しずつお客さんと地元の方の間でご近所付き合いのような温かなやりとりが生まれています。それを目の当たりにした小村さんは「地域の魅力を伝えるだけでなく、こうした繋がりを生み出せる宿であることに喜びを感じました。」と語ります。
観光地を巡るだけでなく、地元の方たちと直接関わることで、旅がより深い意味を持つものになり、五感で感じる体験はその土地ならではの魅力を感じることができます。また、これからのシーズンは年末年始など親戚が多く集まる時の利用や忘・新年会後の宿泊先として日常使いをされる方も多いそうです。
ぜひ、Rise’s Houseでゆったりと地元の魅力を味わってみてはいかがでしょうか?