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新しいIoTシステムで“ものづくり“の未来を支える【株式会社キラ・コーポレーション】

 社会のデジタル化が進んだ現在、“モノ”をインターネットに接続する技術=IoTが注目を集めている。今回は、DXの推進にも欠かすことができないIoTを活用したサービスを展開をしている“株式会社キラ・コーポレーション”の杉山和徳さん、榎本礼さんにIoTを活用した新たな取り組みについてお話を伺った。






 1927年に創業、設立から今年で81年目を迎える株式会社キラ・コーポレーション。吉良の地で船の焼玉エンジンの製作会社としてスタートし、ボール盤(各種素材に正確に穴を開けるための工作機械)の製作では日本一のシェアを誇る工作機械メーカーである。「製品の移り変わりもあり、現在はマシニングセンタ(回転工具を使用してフライス削りや中ぐり、穴あけ、ねじ立てといった切削加工を、1台で行える工作機械)を中心に各種工作機械を製造しております。当社では大量生産では難しい“それぞれのお客様のニーズに寄り添った製品作り”を心掛けており、その結果お客様のリピート率が高く製品に対する信頼を得ています」。





 長年工作機械を作り続けてきた同社だが、昨年IoTシステム『KONEKT(コネクト)』を開発、運用を開始した。このシステムは、工場マネージャーや現場担当者向けには生産状況の可視化の機能、生産技術や保全担当者向けには機械の停止時間を低減する機能を提供。Webブラウザ上で稼働し、生産状況の可視化に加えて遠隔での異常察知、工作機械の操作、そして機械内部の部品稼働情報の蓄積なども可能にする新しいIoTシステムであり、価格面でも中小製造業の方々が導入しやすい価格を実現している。
 今まで工作機械の製造を主におこなってきた同社がIoTを開発するに至るまでに色々な想いがあったと杉山さんは語る。「機械に不具合が生じた場合、早期復旧が鉄則ですが、電話で機械の故障状況を確認するのは意思疎通に労力が必要で時間もかかるため、何とかこの状況を改善したいと思い続けてきました。従来のIoTは社内にサーバ設置が必要となるためメンテナンス要員としてITエンジニアが必要ですが、KONEKTはクラウドサーバにデータを格納するためその必要はなくなります。機械の操作画面を離れた場所にあるPCやタブレットで表示、操作できるため、遠隔での保守業務が可能になります。センサー方式のIoTでは不可能な機械内部の部品稼働状況も取得できますし、アラームやメッセージが無期限にクラウドに保存されるため、幅広いデータをメンテナンスに活用できます。『一刻も早く機械を復旧させたい』という製造現場の切実な願いが開発の原点であり、機械のことを深く知る工作機械メーカーだからこそ開発をできたのがこのKONEKTです」。





 今後の展開について、「まずKONEKTをより多くの方に知っていただき体感していただくことを第一に考えています。IoTやDXがより一層進んでいく中で日本の中小製造業が時代の流れに取り残されないために、より導入しやすいものを提供しお客様の悩みを解消していきたいというのが開発当時から変わらない想いです。西尾市内だけではなく、全国のものづくり企業の方たちに知っていただきたいですし、これからも吉良の地からものづくりで世界を支えていきたいです。」と語る杉山さん。将来的には異業種への活用も視野に入れているというお二人の言葉からも、これからどのような展開していくのかIoTへの大きな期待が膨らむ。


株式会社キラ・コーポレーション

西尾市吉良町富好新田中川並39番地1
TEL:0563-32-0100(代)

https://www.kiracorp.co.jp