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子どもたちの心に“音楽の彩り”を届けたい【Palette(パレット)】
“子どもたちが音楽をもっと身近に感じ、心から楽しめるように。そして、音楽を通して豊かな感性を育んでほしい”。そんな願いのもと、立ち上げられた音楽プロジェクトが「Palette(パレット)」です。親子で楽しめるコンサートの開催や、音楽教室と子どもたちをつなぐWebサイトの運営などを通じて、音楽との接点を広げてきたパレット。その活動の中心にいるのが、リトミック講師でありピアニストの山下佳奈子さん、バイオリニストの本多愛弓さんです。

山下さんがリトミック教室を始めたきっかけは、自身の子育てでした。音楽療法ピアノアシスタントの経験と、リトミックの資格を活かし、“お母さんたちが気軽に集まれる場所を作りたい”と思ったのが出発点だったと言います。「最初はリトミックそのものが目的ではなかったんです。でも活動を通じて、音楽が子どもの成長に果たす役割の大きさに改めて気づかされました。」
一方、本多さんがバイオリンを始めたのは4歳の頃。保育園で楽器に触れたことがきっかけでした。大学卒業後は関東で演奏や指導を続け、結婚・出産を機に地元へUターン。現在は自宅でバイオリンスクールを主宰し、各地での演奏活動もおこなっています。
「出会い」から「仲間」に
そんな2人が出会ったのは、共通の知人を通じてSNS上で繋がったことがきっかけでした。ある年のクリスマス、山下さんが「子どもたちのために、いつもと違うクリスマスの演奏会をしたい!」と本多さんに声をかけたことから、初の共演が実現します。そのクリスマス会を機に“もっと子どもたちに音楽の楽しさを伝えたい”という想いが一致。2人は力を合わせて、地域の音楽環境を整えるための活動を本格的スタートさせました。
音楽を「日常」に、感性を「当たり前」に
パレットが目指しているのは、プロの音楽家を育てることではありません。子どもたちが音楽を楽しむことを当たり前にし、音楽が身近にある街の風景をつくること。それが巡り巡って地域全体の豊かさへと繋がっていく-そんな未来を思い描いています。
「音楽って、なくても生きていける。でも、あれば人生がもっと豊かになる。子どもたちの感性や感情の幅を広げるものだと思っています」。
山下さんと本多さんは、音楽が持つ“感性を育む力”に強い信念を持っています。音楽を聴いて「きれいだな」「楽しいな」と感じられる子どもが増えることが、やがては創造的であたたかい社会を作っていく-そんな想いが活動の軸にあります。
地域とつながる音楽の場を
昨年、ピアニスト・山村明香里さんを入れた3人組トリオパレットが開催した親子向けコンサートは、多くの参加者から「また来たい!」と好評を博しました。今年も8月3日に新たなコンサートが予定されています。0歳の赤ちゃんから小学生まで、幅広い年齢層が楽しめる内容を企画中です。今回のコンサートのテーマは、“ママだって、自分が楽しみたいことを思う存分楽しんでいい”。子育て中のお母さんたちを対象にした一般公募もおこない、出演者自身も“楽しむこと”を大切にしたステージが準備されています。和太鼓とドラムの異色の共演、日本と世界のリズムの違いを体感できる演出も予定されており、感性を刺激する時間となりそうです。また、会場の床は子どもたちが自由に動けるよう、フラットな設計に。保護者も安心して舞台を楽しめるよう配慮されています。


「Paletteフェス」を夢見て
将来的には、市内の店舗や地域の人々とも連携した“Paletteフェス”の開催を目指しているとのこと。マルシェと音楽が共存し、地域の子どもたちが自由にステージに上がって演奏するような、そんな風景を夢見ています。「いろんなジャンルの仲間たちとネットワークを作り、音楽を通じて人と人が繋がる。そんな仕組みを育てていきたいです」。
音楽を通して子どもたちに寄り添い、街を彩っていくパレットの活動。その1つひとつが、地域の未来に温かな音色を響かせていきます。
